KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2024年1月号
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~タイムリミット1時間の小散歩~琴線にふれるテーマパーク発掘する楽しみを体感平日の夕暮れ時、過去の名作歴史映画を観るために元町界隈へと足を運ぶ。時計を見ると上映開始まであと1時間。ここ最近、目的地には意図して早めに到着する。わずかな時間を利用して周辺散策を楽しむためだ。そして色々な場所に同行する私のメモ帳には都度、「あいまのりすと」(合間のリスト)が記されていく。 今日は個性的な書店が点在するこの場所で話題の本屋さんを巡っていきます。Vol.1みなと元町駅2番出口から徒歩3分。まずは「花森書林」と書かれた白い立て看板が目印のお店。「ザックバランな古本屋」を謳う店内は、秘密基地へ遊びに来たような高揚感が漂う。「自分はお客さんが選ばれた商品を並べているだけです」と店主の頓花慎太郎さんは謙虚に笑う。店内を一歩ずつ回遊することで景色が変わり、童心に帰ることができた。続いてはカフェやオフィスが立ち並ぶ中にひっそりと佇む「1003」。店主である奥村千織さんのパートナーが造られた店内は陽の光が差し、温もりを感じられる。個人や少人数で制作から流通まで手掛けるリトルプレスを多く扱う理由として、作り手の熱量が直接読者に届く過程が面白いと語る。広々とした空間でお気に入りの一冊に出会うことができる。「花森書林」「1003」140

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