andcarsMovie ロンドンに住むウィル(ヒュー・グラント)は38歳独身、亡き父の印税で暮らして仕事に就いたことはない。音楽、美容、ビリヤード、映画とドラマに明け暮れ、アウディTTクーペが彼の車、容姿、態度、センスなどは決して悪くないが、生活に困らない程度の収入、人はみんな孤島だという信念、一人の気楽さがいいと思う日々。姉や妹から結婚を進められるが自分本位な考え方で女性と付き合っても2ヵ月以上続かない。ある日、シングルマザーの集いに出掛けたことから12歳の少年マーカス(ニコラス・ホルト)と知り合う。マーカスの母フィオナはシングルマザーで情緒不安定、マーカスは学校でいじめにあっているが何より母の方が心配だ。優しい心を持ちながらも芯の強い子だ。やがてウィルの家に毎日マーカスが遊びにやってくる、互いが影響し合い大切な存在になっていく。フィオナはマーカスの歌が素敵だと言う、フィオナの自殺未遂を阻止するために学校のロックコンサートに出て歌うことを決意。小声でタンバリンを片手に下手なポップスを歌うなど、学校中の笑いものになる。と思ったウィルは、急いで出演を阻止するために学校に向かう。ウィルが舞台裏で出演を止めるよう説得している最中に幕が上がってしまう。案の定ヤジが飛び交う中、マーカスは綺麗な声で(ロバータ・フラック:優しく歌って)を歌い始める。見かねたウィルはギターで伴奏をしながら登場しデュエットで盛り上げる、美しいハーモニーが会場を包み込み、何とか拍手で演奏が終わったが。ウィルはテンポを上げてロック調に一人で演奏を続け、あえて生徒の批判を一人で受ける役になりマーカスを守った。ウィルは12歳の少年と過ごすことで人を助けること、人を大切に思う気持ちに変化が表れたのだ。1年後、父の作ったクリスマスソングが街中に流れる中、マーカスの家族、仲間達、結婚を前提に付き合うシングルマザーのレイチェルとの暖かいクリスマスパーティー。今までに経験したことが無い幸福感に包まれた時間をウィルは心に焼き付けた。人とのつながりの大切さ、大人も子供も互いに刺激し合い成長する。笑いと涙と感動、温かさが伝わる作品。アウディTTクーペ 1.8クワトロ1999年~TTはマン島TTレース(ツーリングトロフィー)のことで、アウディ社との関係が深いNSUが1960年代に活躍したことから、このスポーツモデルをTTと名付けた。1999年にデビュー、全長406㎝、全幅176㎝、のボディーサイズに1,800㏄ターボをフロントに搭載する。駆動はクワトロの名のとおりフルタイム4WDであるが、2001年にノンターボのFFモデルも追加された。4人乗りクーペであるが、実際には2人乗りと考えた方がいい。225馬力のパワーはこのサイズの車には必要十分、目を引くスタイリングと安定した走りには人気があったが、2度のモデルチェンジを経て25年目となる2023年にファイナルエディションが発売され生産終了となった。もっともホットなモデルは2016年に発売された2,500㏄5気筒ターボモデルで400馬力を発揮した。文・株式会社マースト 代表取締役社長 湊 善行映 画:『アバウト・ア・ボーイ』2002年 アメリカ (102分)登場車両:アウディTTクーペ 1.8クワトロAUDI TT COUPE 1.8QUATTROArt Konovalov@shutterstock12
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