KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年12月号
93/136

う時は一人で悩んだり抱え込んだりせずに、西宮市立子ども未来センターなど各市町村の子育て支援機関や、かかりつけの小児科医に相談することをおすすめします。─第2部はどのような内容でしたか。奥窪 大阪大谷大学教育学部教授で大阪医科薬科大学LDセンター副センター長の福井美保先生に、「学校での『学び』に必要なこと」をテーマに、主に学校で求められる力、就学に向けての準備、基礎学習の学びと学習障害について講演していただきました。─小学校に入る前に聴いておきたいお話ですね。奥窪 小学校に入学すると幼稚園や保育園などとルールが違い、コミュニケーション能力や協調性、自立性、マナー、時間に沿った行動、集中力、体力、感情のコントロールなど、社会から期待される活動を自発的かつ習慣的に営む「勤勉性」を求められるということです。─約1割に傾向があるなら、そんなに心配いらないかもしれませんね。奥窪 発達障害にはさまざまなタイプがある上に特性がしばしば重複し、その特性は成長のステップや環境により変動するものの、大人になって完全に消えるものではないそうです。つまり、治すものではないので、その子の個性を生かしながら困りごとを減らしていくことが大切だと先生はおっしゃっていました。一方で、幼児期や学童期の環境や経験は非常に重要となり、「多数派向けの社会」では生きづらさを感じることもあるということです。─どのような具体例が紹介されましたか。奥窪 ADHD、ASD、ASD+発達性協調運動症(DCD)の3つのケースを紹介してくださいましたが、いずれも適切な環境と対応を用意してあげることと、先生や学校とのコミュニケーションと信頼関係が鍵となってくるのだと感じました。─関わる側の対応が大切ですね。奥窪 子どもの個性と特性を理解して接するとともに、自分のペースで成長できるような環境にしてあげるだけでなく、好きなことや成功体験を積み重ねて自信を育むことも重要だそうです(図1)。とは言え、保護者のみなさんには困りごともあると思いますので、そうい「もうすぐ一年生 君らしく成長しよう 子どもの発達とかかわりについて」をテーマに開催。210名もの来場者があり、子育て世代の方が多く初参加第1部では、西宮市立子ども未来センター診療所長の太田秀紀先生に、子どもの発達や発達障害についてお話しいただいた、第2部では、大阪大谷大学教育学部教授で大阪医科薬科大学LDセンター副センター長の福井美保先生が、「学校での『学び』に必要なこと」をテーマに講演93

元のページ  ../index.html#93

このブックを見る