同種の実験が開始されることとなりました。日本でも、より大量のニュートリノを発生させ、かつニュートリノ振動が最大となる条件に合わせた新しい実験施設が建設され、実験が行われることとなりました。これが二〇〇四年から東海村のJ︲PARC内に建設され、二〇一〇年から実験を開始した、T2K実験(Tokai to Kamioka)です。僕はその建設を行うために高エネルギー加速器研究機構に雇われました。T2K実験では、ミューニュートリノが「消える」という現象だけでなく、それが電子ニュートリノに変化する様子を、世界で初めて捉えました(二〇一三年までで九九・九九九九九九九九九九九四パーセントの確率)。「消える」ことを見るだけの実験は「disappearance」の実験と言い、例えば原子炉を用いたニュートリノ振動加速された陽子ビームを曲げる超伝導電磁石神岡の方向に向けて陽子ビームの軌道の最終調整をする常伝導電磁石パイ中間子を集束させてニュートリノビームをつくる電磁ホーン(第1電磁ホーン)多田先生が研究する東海村にある「ニュートリノをつくる装置」を構成する装置64
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