KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年12月号
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森蔵小麦の種を蒔いてから1年パンと畑がつながったバゲットパンも料理もお菓子もインテリアも、すべてが『森蔵』らしさで完成されている。空けっぱなしのドアから吹く風もごちそう。ハード系のパンは付き合い方にちょっとしたコツがあるので、保存の仕方や時間が経ってからの食べ方は気軽に聞いてほしいと中村さん。 2年前くらいかな、ワインを作っている人と話していて、「作るのに1年かかるって大変ですね」って言ったんです。そしたら「パンだってそうでしょ?」って言われて。最初は「ん?」。少し経ってから「あ、そうか」と。よくよく考えたらそうだ。小麦を作ることから始めたらパンだって1年かかるんだ。それで、小麦の栽培をしてみようと思ったんです。初めて畑仕事をしてみて、初めてパンと畑がつながった。先月やっと製粉して、自家製小麦のパンを焼いて、「そういうことか」と何かが変わった気がしています。中村 哲治さんバゲットは皮を食べるパンだと思うんです。でも日本の気候に合っていないんでしょうね。“パリッ”を保つのが難しい。奥が深いと思います。今日は大下さんが「美味しい」と言ってくれたので、これがイチオシ。Vol.11KOBECCO パンさんぽビアンヴニュ・大下さんと歩く生地に合わせてレーズンやくるみ、いちじくなどを加え、ちょっとした甘みや香ばしさをプラス左から、大下さん、中村さん、パティシエの中村美佳さん土曜日はお菓子の日。「伝統菓子を作るのが好き」と美佳さん。42

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