KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年12月号
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がたいお話でした。 その後、“朝ドラ”『だんだん』(2008年)で音楽を担当した際は、竹内まりやさんの作詞で『いのちの歌』を作曲しました。生きることの意味を真剣に考えて作った作品でした。この曲が、ドラマが終了してから多くの方に歌われるようになりました。卒業式や結婚式、老人施設、合唱曲としても。歌が成長するということを初めて経験しました。 出雲が舞台のドラマだったので、作る前にまりやさんと出雲大社に参拝したんです。まりやさんとは「出雲の神様が授けてくれた曲だね」と話しています。Q.映画ではジブリや海外作品も、他には舞台、ミュージカル、合唱曲など。多方向へ広がりましたね。 いただいたお仕事が繋がっている感じです。 今年担当した『しずかちゃんとパパ』(NHK)もそうですが、成長できる作品に恵まれるというか。人として必要なことは何かを考えさせられています。 出会いにも恵まれています。『氷壁』(2006年 NHK)では、イギリスのボーイ・ソプラノユニットLIBERAに『彼方の光』を歌ってもらうことができました。プロデューサーから“崇高な雪山の景色と光”というテーマをもらっていて。幼少期にしか出ない、彼らの純粋な声で表現したいとお願いしたのです。唯一無二のそのハーモニーが、現在は“火の鳥”も包んでくれています。Q.公開中のアニメ映画『火の鳥 エデンの花』ですね。手塚治虫さんの作品です。 映画『漁港の肉子ちゃん』(2022年)でお世話になった田中栄子さん(アニメーション制作会社STUDIO4℃代表)が声をかけてくれました。 僕は手塚作品の大ファンなので、このお話をいただいた時もすごく嬉しかった。いつか『スタートレック』『スター・ウォーズ』のような宇宙世界を描きたいと思っていました。初めてのSFファンタジーですが、絵を見ているとイマジネーションが湧いてきて、手塚さんの力を感じました。 現代に生きる僕たちへの、手塚さんからのメッセージ、警告とも言える作品です。「今のままでいいのか」手塚さんは問う。制作した僕たちは「先には希望がある」と信じる。そんな色々な思いをLIBERAが歌う『永遠の絆』に込めました。Q.実は神戸とご縁があるんですよね。 Chesty(神戸発ファッションブランド)とコラボレーションアルバム『Lovely Notes of Life』(2011年)を作りました。“毎日がHappyになれる”というコンセプトで、家族とのティータイム、友だちとのドライブ、1日のはじまりとおわりのひとときなんかを思い描きながら、僕自身もHappyな時間でした。 クミコさんの『しゃくり泣き』の舞台も神戸、かもしれませんね。松本隆さんの作詞で、港を舞台にした、大人の渋い物語。神戸は好きな街お菓子と温泉が大好きです28

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