KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年12月号
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Q.映画音楽の作曲家を目指したのはいつからですか? 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)を観てからなので、けっこう長い時間、思い続けていました。はじめは、クラスで目立つ存在ではない背の小さい主人公に自分を重ねて、そういう子がカッコよく活躍するストーリーが大好きに。そこから「音楽もかっこいいな」と、“映画音楽”を意識して聴くようになりました。 音楽に集中すると、映画がもっと好きになって。あの頃は名作が次々公開されていて面白かったですね。今では音楽に集中しすぎて、1回目はストーリーが入ってこない(笑)。普通に楽しめなくなったのは悲しい。悩みのひとつです(笑)Q.初の映画作品は『狗神』(監督:原田眞人)。主演は天海祐希さん、ベルリン国際映画祭でも上映され話題になりました。 角川映画でデビューできたのは、今考えてもすごいことですね。何度かオーディションがあって、ドキドキした期間があったので、決まった時はめちゃくちゃ嬉しかったです。 初めての仕事でしたが、周りは超一流の方々。すごく助けていただきました。ベルリンにも連れて行っていただいて。初の海外だったんです。恵まれていました。まだ何もわかっていない大学生に任せてくださったことに感謝しなければいけませんね。大人になった今、そう思います。Q.大学生の村松さんが担当することになった経緯は? 音大の作曲科に入ったものの、映画音楽へのルートはなかったんです。クラシックの音楽大学ですし。僕はクラシックにこだわらず楽しい音楽をやりたい、進みたいのは商業音楽の道だと割と早い段階から見えていたので、進路は自分で考えるしかなかった。 高校生の時に作ったソロアルバムと、自分だったらこんなことができると伝えるためのデモ音源を、制作会社とか映画監督に郵送したり、会社の受付まで持って行ったりしました。関係者の手にちゃんと渡るかどうかもわからないのに。大学生の僕には、それしか思いつかなかった(笑)。 ある時、映画プロデューサーの原正人さんから連絡をいただきました。『戦場のメリークリスマス』を手がけた有名な方です。まさか原正人さんに届いたとは!原さんが聴いてくれたんだ!って感激したし、最高の励みになりました。Q.NHK連続テレビ小説『天花』(2004年)は26歳での大抜擢でしたね。 青山のライブハウスで演奏していたある晩、スーツ姿の大人が5~6人客席にいて。あきらかに僕のファンではない(笑)。終演後、楽屋にいらして、朝ドラのお話をお聞きしました。詐欺じゃないかと不安になったくらいびっくりしました。映画音楽を聴いて推薦してくださった方がいたんです。運がいいというか…あり高校生でアルバムデビュー音楽大学在学中に映画音楽を担当!映画音楽からドラマの劇伴音楽、アーティストへの楽曲提供へ27

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