KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年11月号
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126354821071119 建築家・三分一博志氏が 込めた六甲枝垂れへの思いハイキング気分で記念碑台まで戻り、しばし六甲山の自然や歴史を学んだ後は、六甲山サイレンスリゾートの旧六甲山ホテルへ。昭和4年(1929)築で、設計は古塚正治。近代化産業遺産だが、現在はイタリア人建築家のミケーレ・デ・ルッキ氏の手により建築当時のデザインや痕跡を生かしつつリノベーションされ、カフェやショップ、ギャラリーに生まれ変わっている。一行は建築当時の輝きを取り戻した天井のステンドグラスの下でランチタイム。続いてバスで移動し、本誌でおなじみ安藤忠雄氏が設計した風の教会へ。昭和61年(1986)築。長尾先生の解説でそのアプローチや外観に安藤建築の特徴を確認できたが、中は六甲ミーツ・アートの巨大なアート作品に占領されており、見どころの聖壇は全く見えずに残念、また次回。最後は「自然体感展望台 六甲枝垂れ」へ。ただの展望台ではなく、実は緻密に計算されている。そもそもこの建築は若手建築家のコンペによるもので、そのコンペを企画・実行したのが長尾先生だとか。三さんぶいち分一博志氏のプランが採用された。網目によるドーム型という独特の形状は、冬に霧氷がつきやすいようにとの配慮から。内部にはこの場所で冬の間にできた氷を貯める氷室があり、夏はその冷気が室内を冷却するなど、ほとんど自然エネルギーのみで快適な環境を生み出している。吉野の檜をふんだんに使用し、山と一体化するデザインや展望をより楽しめる工夫、そして六甲の自然を体感できる仕掛けで、ツアーの最後に建築が文化であることを実感させてくれた。以上、駆け足でツアーを紹介したが、各スポットでの解説は詳細で興味深いものだった。今期のツアーはすでに終了。2024年も開催予定なので、関心がある方はぜひ来年ご期待を。自然体感展望台 六甲枝垂れ三分一氏の考えた六甲山の特徴を建築で表現。その思いの深さに驚かされる91

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