出もしていたのですが、途中で〝今、自分はいったい、どの役をしているの?〟と混乱する状態に陥ってしまって…」と打ち明けた。「当然、自分が演出するのですから、主演に助演、その他の役のセリフも、歌も、すべて頭の中に入っているのですが、いざ三つの役を切り替える新作の小説や映画に新譜…。これら創作物が、漫然とこの世に生まれることはない。いずれも創作者たちが大切に温め蓄えてきたアイデアや知識を駆使し、紡ぎ出された想像力の結晶だ。「新たな物語が始まる瞬間を見てみたい」。そんな好奇心の赴くままに創作秘話を聞きにゆこう。第36回は、俳優やシンガー・ソングライター、そして舞台の演出家としても活躍する城田優さん。文・戸津井 康之〝三刀流〟で深めた自信…唯一無二のエンターテインメント目指しTHESTORYBEGINS-vol.36俳優城田 優さん⊘ 物語が始まる ⊘が見てとれた。実はこの日のインタビューが神戸市の「PEANUTS HOTEL」で行われる2日前に、ミュージカル「ファントム」の大阪公演の千秋楽を終えたばかりだったのだ。「僕は(主演の)ファントムと(助演の)シャンドン伯爵の二役で出演し、舞台全体の演今、演出に夢中 「ミュージカルの舞台で初めて〝三刀流〟に挑戦したんですよ。もちろん、自分から望んで挑んだことなのですが、想像以上に大変でしたね」いきなり、こう話し始めた城田優さんの表情には、笑顔の中にもさすがに疲労のあと22
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