KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年11月号
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た本来の「灘」の中心が「東灘区」になったという、知っているようで知らないエピソードに観衆たちは少し驚きの様子。そして本題に入り、先史時代から古代にかけての歴史を、灘という地域にフォーカスしつつも日本史の大きな流れという視点を織り込みながら解説。篠原遺跡からは縄文時代の遮光器土偶、桜ヶ丘遺跡からは14個もの銅鐸が出土するなど古来より人々の営みがあったことや、条里制の痕跡が現在も川の流路に残っていること、処女塚古墳9月17日、JR六甲道駅前の神戸市立灘区文化センターで、兵庫・神戸のヒストリアンこと田辺眞人先生の歴史講演会「灘区の歴史」が開催された。まずは「灘」とはどこのことなのか?という話題から。もともと「灘」とは現在の東灘区~灘区一帯の領域を指し、その中心部は住吉郷や御影郷、つまり現在の東灘区で、現在の灘区一帯は「西灘」とよばれていた。ところが西灘の方が先に神戸市に編入され、その行政区名が「灘区」となったため、戦後に合併しが造られた理由とその伝説や和歌に秘められた謎など歴史ロマンにも満ちた内容で、聴き入っているうちに時間があっという間に過ぎ、残念ながら中世以降のお話は「またの機会に」と相成った。「みなさんの身近なところに、歴史は残っているんです」というひと言で講演が終了すると、広い大会議室に並べられた椅子を埋め尽くした聴衆たちは、知的好奇心を刺激してくれた田辺先生に万雷の拍手を送った。灘区文化センターで 歴史講演会「灘の歴史」を開催おしらせポートピアホテル 特別ランチ付講演会 田辺眞人の知っとこ! レクチャー&ランチ 「家康の時代と阪神間」 日時 11月18日(土)10:30~13:30(受付開始10:00) 料金 一般7,000円(税込) 申込・問合せ サロン・ド・ポートピア事務局 (10:00      ~17:00/日祝休)       TEL/078-303-5212132

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