KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年11月号
111/148

具体的な生活習慣との因果関係ははっきりしていません。どんなに健康的な生活をしていても老若男女問わず突然発症する場合もあり、日頃から何に気に付けたら予防できるのかを言えないのが現状です。―どんな症状が出るのですか。早期発見するには?さまざまな症状があります。例えば白血病では急性の場合は発熱や倦怠感が出ますが、中には慢性で自覚症状はなく、健診で白血球の数値に異常があり精密検査の結果、早期発見につながったというケースもあります。固形がんと同様にやはり早期発見には健診が大切です。薬師神先生にしつもんQ.リフレッシュ法や健康法は?A.皆さんは一日の終わりにビールを飲んでリフレッシュされるのでしょうが、私は下戸なもので大好きな炭酸飲料でリフレッシュ(笑)。健康法は患者さんにいろいろアドバイスするのですが私自身はといえば…栄養バランスが取れた「うちのご飯」でしょうか。Q.やりがいを感じるときは?A.状態の悪い患者さんが快方に向かったときの笑顔が一番のやりがいです。治療はしんどいものです。特に白血病の根治を目指す治療や骨髄移植は最強の治療ですから最強の副作用が出てしまうケースが多いものです。QOLQ.患者さんに接するにあたって、また大学で学生さんを指導するにあたって心掛けておられることは?A.ありきたりですが、寄り添う医療を目指しています。私はエビデンスを大事にしながら、「自分の家族がこの状態だったら何をやってあげられるかな」というふうに考えるようにしています。教育には成功体験は大切だと思います。医学部の学生たちが自身で体験するのは難しいことですから、私の体験をできるだけたくさん紹介するようにしています。Q.血液内科を専門にされたのはなぜですか。A.病気にもよりますが、白血病の場合などはすぐに治療をしないと命が助かりません。研修医のころ、血液の病気が非常に多くて、どん底の状態におられる患者さんの診断をして、治療をして完治を目指せる血液内科の一連の流れに魅力を感じました。Q.医学の道に進んだきっかけは?A.きっかけになるような特別な出来事はなくて、子どものころから「生命」というものに興味があり、それを扱う学問として「医学」があったということでしょうか。医学部を目指していた兄の影響もあり、高校に入るころには私も目指そうと決めていました。(生活の質)が下がってしまった患者さんが退院して、生き生きと生活されている様子を見ると、この仕事をやっていて本当に良かったと思います。111

元のページ  ../index.html#111

このブックを見る