KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年11月号
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腫瘍内科と血液内科の先生方が他の診療科とも連携・協力しながら患者さん一人一人に最も適した治療の提供に努めている腫瘍・血液内科について、薬師神公和先生にお話を伺いました。―腫瘍・血液内科とは?肉腫を含め全身の臓器の固形がんと悪性・良性を問わず血液に関する病気全般を臓器横断的に診療しています。―臓器横断的な診療とは?例えば肺がんは呼吸器内科、大腸がんや胃がんは消化器内科というふうにがんの診断や治療は臓器別各科で行われてきました。がんが遺伝子の疾患であることに注目されるようになり、「がん」を一つの領域として捉える新しい考え方に基づき臓器別に分けず横断的に診療します。―がんゲノム医療とは?ゲノム、つまり遺伝子の情報に基づく個別化医療の一つです。具体的にはがんの組織や血液を用いて、次世代シークエンサーを使ってがん遺伝子を識別するパネル検査を行います。がんの発生や進行に関わる「ドライバー遺伝子」が臓器には関係なくたくさん存在することが分かっています。臓器別ではなく、それぞれのがんが持つ遺伝子の異常に応じた治療を進めるのがゲノム医療です。―どの臓器のがん患者さんに適用されるのですか。患者さんの入り口は臓器別の診療科です。その中でどの臓器のがん患者さんを腫瘍内科で扱うのかという線引きはありません。一人の患者さんが複数のがんを持つ二重がんや多重がん、症例が非常に少ない希少がん、また原発不明がんなどは当診療科で扱うケースは多いですね。―腫瘍・血液内科で診断から治療まで一貫して行うのですか。臓器別の診療科の先生方はそれぞれの視点で考え、当科は腫瘍内科の視点で考えカン神大病院の魅力はココだ!Vol.26神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科薬師神 公和先生に聞きました。108

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