兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第一四八回─この答申書では、かかりつけ医機能にどのようなことを求めていますか。鈴木 平時は地域包括ケア・在宅医療の担い手として緩やかなゲートキーパー機能を発揮し、感染症有事の際にはPCR検査受検相談、発熱外来、オンライン診療、宿泊・自宅療養の健康観察を行って保健所の負担軽減を図ることとしています。これに加え、レセプトデータを基にしたかかりつけ医機能の「見える化」や、地域における外来医療のあるべき姿に向かう仕組みを整えていく必要がある、と述べています。─かかりつけ医への外来受診時の患者負担についてはどうするべきと提言していますか。鈴木 答申書では、認定を受けたかかりつけ医による定額報酬の活用、未登録で医療機関側に必要な情報がない患者が受診する際の定額負担、本人情報取得・確認の事務負担などの事務負担費用の徴収の3つを提唱しな時に必要な医療にアクセスできる」質重視へのフリーアクセスの転換を提言しています。ここには制度的対応として、かかりつけ医機能の要件を法制上明確化すること、かかりつけ医の認定制度、利用希望者の事前登録・医療情報登録を促す仕組みを導入すべき、と記載されています。─財務省が推進するかかりつけ医制度は、どのような方向性なのでしょうか。鈴木 昨年5月財政制度等審議会財政制度等分科会で提出された答申書「歴史の転換点における財政運営」に「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」という項目があり、「いつでも、好きなところで」という量重視から、患者が「必要財務省とかかりつけ医制度兵庫県医師会 医政研究委員会委員鈴木クリニック 院長鈴木 康徳 先生104
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