マクベス役は、ダンサーで俳優のアダム・クーパーさん。共演のお話を聞いた時のお気持ちは?初めは「私?天海祐希って他にもいるんじゃない?」と思ったくらい驚きました(笑)。今回のマクベスは、シェイクスピアの戯曲とは設定が違っていて、言葉より身体で表現するお芝居になっています。演出についてお聞きしたら、この役をアダムさんに、と考えるのは当たり前、正解!と思いました。多くの舞台にご出演されていますが、忘れられないシーンがあります。『雨に唄えば』日本公演でのこと。舞台の中央にたたずむアダムさんへの照明を、彼は全部吸収して、ご自分の色に変えて客席に届けていた。ものすごく感動して号泣して、サイン欲しい!と思いました。そんな方とご一緒できるんです。想像できますか?笑。ポスター撮影でお会いになっていかがでしたか?そこにいらっしゃるんだけど、初めは「本物かしら」と思いました。撮影時はちょっと緊張しましたけど(笑)、だんだん現実になってきました。アダムさんも演出のウィル・タケットさんもイギリスの方なので、シェイクスピアのベースが私たちとは違います。例えば、古い言葉と新しい言葉の違いをどう表現するか。そういうことを教えていただけるのは楽しみです。それから、お稽古前のウォーミングアップや作品に向かう姿勢、演じる時の体温、熱量とか、そういうものを身近に肌で感じたいと思っています。誰もが知るシェイクスピアの舞台を、視点や設定を変えて新作として取り組む、世界初演の作品です。台本を読んだときの感想は?シェイクスピアってものすごく昔のお話ですけれど、人間関係、人の在り方、生活の営み、人の思い、妬み、嫉み、恨み。そういうものってなんら変わってないんだなと思います。そこをベースに現代にも通ずる言葉、なおかつ響きの美しい詩的な言葉を使った台詞が素敵だと思いました。ある地点に到達していく人間の状況が丁寧に描かれています。レイディとしては駆け上がっていくつもりですが、実際には駆け落ちていく。そのギャップの描き方は面白いと思います。そういった景色がちゃんと想像できる本です。“世界初”に関しては、ものすごい言葉で恐怖を感じますけれど、前例がないということは“自由”と考えるようにして(笑)。出演者の皆さんと、各々の立ち位置、役柄からの考えをたくさん話し、理解しつつ、ウィルさんの導く方向に歩んでいこうと思います。これまで持っていた「マクベス夫人」のイメージは?そんなには引っかかっていなかったんです。「手の血が消えない!」という有名な怖い台詞。やはりそこは印象に残っています。31
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