KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年10月号
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被災者支援や社会福祉に尽力する堀内さんには「被災者たちからの願いを託された、もう片方の責務もあるのでは?」。そう問うと、「分かっていますよ。俳優業など文化活動の方ですね」と答えてくれた。そして、こう続けた。「実は神戸で演技を学んだり、映画やドラマなどが撮影できるスタジオを備えた文化の一大拠点を作れないか…そんな構想を練っています」〝神戸からの発信者〟としての役割を担い堀内さんの挑戦はまだまだ続く。そして病気を患う子供の家族たちも…。「困っている人たちの苦しみは皆同じ」と考えてきた堀内さんは、2021年から、小児がんなど難病を患う子供と、その家族たちが宿泊できる施設「チャイルド・ケモ・ハウス」(愛称〝チャイケモ〟)を支援するために、その代表理事に就任した。「隣に『兵庫県立こども病院』があるのですが、入院した子供たちに付き添う家族たちが暮らす施設が少ないのです。全国からやって来る子供たちの家族の中には病院のロビーで寝泊まりしたり、車中泊をしながら過ごす人も少なくない。そんな人たちの声を聞き、居てもたってもいられなくなって…」チャイケモでは家族ごとに暮らせるようプライベート空間が守られた部屋が19室あり、一泊1000円で貸与されている。「入院は一年以上に及ぶこともある。少しでも家族の負担を軽くできたら」「堀内さんにはもっと俳優として活躍してほしい。その姿を見て私たちも頑張ることができるから。〝俳優の堀内さん〟と私たちは仲間なんですよ。そう胸を張ることができるから」と、願う声だった。「俳優の背中」を見せる覚悟その頃、東京からもラブコールが届いていた。「ドラマで復帰しませんか?」。旧知の脚本家、小山内美江子さんからの依頼だった。「私が脚本を書きますから」と。震災から4年後の1999年から2005年まで放送された人気ドラマ「3年B組金八先生」で堀内さんはケアセンターの所長役を演じた。「役柄が、神戸でのそのままの私じゃないですか、と小山内さんには文句を言ったのですが」と堀内さんは苦笑した。被災者を始め事件や事故の被害者やその家族たち、28

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