KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年10月号
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口腔がんのリスクを高め、口の中の慢性炎症も一因になります。歯が当たって傷ができている場合などは放置しないで受診して治療をしましょう。神経を取らなくてはならないほど重度のむし歯は嚢胞の原因にもなります。まずむし歯を作らない、できてしまったら必ず初期段階で治療をしましょう。―定期的にクリニックで歯垢を取ることは必要ですか。歯垢を取るという目的もありますが、定期的に口の中を専門医に見てもらうという意味でも大事だと思います。神戸市では申し込みをして口腔がん検診を受けることも可能です。各自治体の実施状況を確認して検診を受けることをお勧めします。長谷川先生にしつもんQ.日頃、患者さんと接するに当たって、また大学で学生さんを指導するに当たって心掛けておられることは?A.心掛けているのは正しい医療を提供することです。そして、できるだけ分かりやすい言葉で説明するよう努めています。神戸大学には歯学部はありません。指導をするのは医学部生ですから、とにかく口腔外科を知ってもらい、その重要性を理解してもらうよう心掛けています。歯科口腔外科の博士課程には現役の歯科の先生方がさらに研究をしようという高い志を持って入学されます。そういった学生さんにはまず自分で考える姿勢を持つように指導しています。Q.ご自身の健康法やリフレッシュ法はありますか。A.20代のころは四六時中、仕事をしていました。40代になり、一日6時間以上の睡眠時間を確保するようにしています。これが健康法と言えるのかどうかは分かりませんQ.どんな時にやりがいを感じますか。A.大学病院の口腔外科に来られるのは地域の歯科医院では対応が難しいと判断された紹介患者さんがほとんどです。治療がうまくいき患者さんが喜んでおられる様子を見ると、とてもやりがいを感じます。また紹介していただいた地域の歯科医院の先生方に感謝いただくこともありやりがいを感じます。Q.歯科口腔外科を専門にされた理由は?A.口腔における外科的な高度医療を患者さんに提供できること。そしてたくさんの診療科の先生方と協力しながら治療を行うので、医師と歯科医師の橋渡し的な存在になれるのではと思い歯科口腔外科を専門にしました。Q.長谷川先生はなぜ医療の道を志されたのですか。A.父親が歯科医師でしたので、医療に携わる人間が身近にいたというのが大きな理由です。医師になるという選択肢もありましたが、歯・口腔という、生活に直結する臓器を扱うことに意義を感じて歯科医師を目指しました。が(笑)。子どものころから漫画が好きなので、空いた時間に最近話題になっている漫画をいろいろ読んでリフレッシュしています。115

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