KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年10月号
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置、進行して必要のない骨が形成されてしまった場合は取り除く手術をします。顎顔面外傷では縫合処置や骨と歯の整復処置、顎変形症では歯の矯正や顎の変形を治す手術、顎関節症では投薬やマウスピースを使う治療など行っています。口腔がんはもちろん、その他、広範囲の骨髄炎、顎変形症などは高度な技術を必要とし、いろいろな診療科の先生方との協力・連携が必要です。―主にどんな診療科と連携しているのですか。特に口腔がんの治療では、全身麻酔での治療になりますので、まず麻酔科と協力します。がんが大きくなり領域を超えてくると耳鼻咽喉・頭頚部外科の先生方と協力して手術にあたります。移植手術では形成外科、術後の治療では放射線腫瘍科、腫瘍血液内科との連携も大切です。また、口腔はQOLに大きく関わる臓器です。手術や治療を行うことで、喋ったり、ご飯を食べたりという生活する上での基本的な機能が低下します。回復のためにはリハビリテーション科との連携も重要です。持病のある患者さんの場合は循環器内科をはじめ内科系の先生方にお世話になることもよくあります。―口腔内には先天的な疾患もあるのですか。口唇、口蓋などに切れ目がある先天性疾患「口唇口蓋裂」はうまく母乳を吸えず赤ちゃんの生育に支障がでます。この治療は神大病院では形成外科が担当することが多いです。神戸には県立子ども病院などでも治療を行っており、当科ではあまり多くは扱っていません。生まれつき歯の数が足りない「先天性無歯症」という疾患もあります。たくさんの歯がない方は、入れ歯や保険のインプラント治療を行うこともあります。―口の中の病気を予防するために日頃からできることはありますか。まず、喫煙、過度な飲酒は歯をのせるだけでは安定しません。そこで、人工の骨、または体の他の部分の骨を使って顎の骨を増やして高さや幅を整え、しっかりした土台を作ります。その部分にインプラントという杭のようなものを打って歯をのせると安定します。このインプラント治療は外傷などで顎の骨を失った患者さんでも行うことができます。このように病気でたくさんの歯や顎の骨を失った方のインプラントは、一般の自費のインプラント治療とは違い、保険診療が認められており、神大病院でも多くの患者さんの保険診療をさせて頂いています。―大学病院の口腔外科で治療する病気はがん以外にもあるのですか。かなりたくさんあります。例を挙げると…歯根や顎の骨の中に膿うみの袋ができる嚢のうほう胞や良性腫瘍は摘出手術をします。骨髄炎などの感染症では、最近は薬剤や放射線治療後の炎症が原因で起きるケースもあり、投薬治療や膿を出す処114

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