KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年10月号
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見ることがあまりない方もおられ、また、しこりは徐々に大きくなるので気付きにくいことも多く、発見時にはすでに転移しているケースが多いですね。―口腔がんの治療法は?まず手術でがんを取り除き、必要に応じて放射線治療と化学療法を組み合わせるのが基本の治療です。リンパ節まで転移している場合は大事な神経や血管を残してリンパ節を切除します。舌がんを含め進行した口腔がんの治癒率は40~60パーセントです。まだまだ治癒率の向上を目指さなくてはならない分野です。―手術で失った舌や歯、骨は再建できるのですか。舌のがんでは、小さな切除の場合は縫い縮めるだけで問題はありません。半分程度以上切除する場合は形成外科の先生と一緒に手術を行います。手首の皮と血管を移植し、医療用の顕微鏡で首の血管とつなぎ合わせる再建という手術を行います。さらに広範囲の切除の場合、お腹の筋肉と皮を移植することもあります。形状はある程度元に戻りますが、移植した部分の動きや感覚、機能は回復しません。残った部分が頑張って役目を担えるように手助けをするための移植手術です。歯茎の場合は、その部分だけを取ることは難しく、周りの歯や顎の骨まで大きく取り除くことになります。術後、入れ113

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