KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年10月号
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(図1)一人当たり年間受診回数の推移OECD Health Statistics 2022のデータより作成け医による継続的なフォローと、慢性疾患の管理による質の向上も目指しました。─かかりつけ医制度導入後、その効果はあらわれましたか。木村 1人あたりの年間受診回数が1つの指標になりますが、フランスでは1991年以降6回前後で推移する一方、ドイツでは5.3回から倍近く増え、日本では減少傾向にあります(図1)。これをみる限り、中長期的にみれば受診行動の適正化への効果は確認されないと思います。効果がなかった要因として、そもそも不必要な受診が多くなかったことが考えられます。もう一つは、自己負担をカバーする補足制度があり、ほとんどの国民は実質的に自己負担ゼロで医療サービスを受けていることも理由と考えます。─かかりつけ医制度の具体的な内容について教えてください。木村 市民革命以来、権利意識が高いフランスでは、患者だけ109

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