KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年10月号
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兵庫県医師会の「みんなの医療社会学」 第一四七回統領のもと、ブラジ保健大臣名で出された医療制度改革案のブラジプランにより2005年にはじまりました。ブラジプランとは収入を増やすため退職者の一般福祉税の増額や計算の基礎となる労働所得の上限割合の増加などにより疾病金庫の収入の増加を狙うととともに、給付範囲の見直しによる支出抑制も目指すものです。─かかりつけ医制度が導入されたのはなぜですか。木村 かかりつけ医制度の目的は医療費抑制目的と法文にも明記され、非常に単純明快です。そもそも、医療費増加の根本的な原因は、フリーアクセスと自由セクター医師に対する出来高払いの組み合わせ、そして情報が共有されていないことによる連携不足と考えられていました。また、「医療遊牧民」と呼ばれる患者がドクター・ショッピングをしていると想定した上で、その受診行動を抑制することも狙っています。そして、かかりつた、自己負担分が高いのですが、それをカバーする非営利の補足制度が発達し、国民の約8割が加盟しています。患者による医師の選択の自由は憲法上の価値を有していることも特徴的です。─かかりつけ医の制度化はいつからですか。木村 2004年にシラク大─フランスの医療制度にはどのような特徴がありますか。木村 原則、社会保険制度によって提供されていますが、1996年の一般福祉税導入以降は部分的に変容されています。被保険者は企業別でなく、職業別の疾病金庫で決まり、退職後もその疾病金庫で継続的に給付を受けるという突き抜け型を採用しています。まフランスの医療制度とかかりつけ医制度兵庫県医師会 医政研究委員会委員長木村メディカルクリニック 院長木村 紀久 先生108

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