正化の効果は見込めないと思われます。医療費適正化のために制度改革を考えることは確かに重要なことですが、その後に起きうる様々な可能性についても十分検討する必要があり、拙速にかかりつけ医制度という容器だけを変えても内在する医師と患者の意識、医療に対する教育、医師養成制度の設計図を考えなければ「木に竹を接ぐ」ことになりかねないですね。─私たち市民は、かかりつけ医を持つべきなのでしょうか。生島 高齢者は特に、日頃の体の状態を把握していて何でも相談できるかかりつけ医が身近にいると、いざという時の対応や日々の健康づくりに役立つでしょう。一方で日本医師会が発信しているように、かかりつけ医についてはあくまでみなさんが選ぶものであり、かかりつけ医を割り当てたり登録を義務付けたりすることはいかがなものかと思います。また、診療科別や専門性の観点から複数のかかりつけ医をもつことも自然なことではないでしょうか。─制度改革は医療削減を目指すものですが、英国方式で効果があるのでしょうか。生島 (図2)のように英国と日本の医療費を比較しても大差がないどころか、日本の方がやや低いのが現状ですので、英国のシステムを導入しても医療費適制度は英国の国民性を大いに反映したものであり、我が国とは非常に大きな彼我の制度差を実感します。我が国が歩んできた自由開業制、フリーアクセスは優れている点が多く、もっと評価されていいのではないかと思われます。(図2)対GDP保険医療支出 (2020年度)OECD Health Stacticsより作成99
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