KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年9月号
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雑状態で、サービス提供や質の低下がみられます。特に地方ではGPの数が少ないため医療機関も選べません。専門的な医療が受けにくく、GPの紹介があっても専門医が緊急性が低いと判断すれば長期間の待ち時間が発生するのも問題です。─英国での外来診療の現状はどんな感じですか。生島 まずは登録したGPの診察を受けますが、基本的に要予約で、当日受診は希望者の半数程度しかできません。専門医の診察が必要かどうかはGPが判断しますが、GPに紹介されてから専門医の治療を受けるまでの時間は現在平均2か月以上のようです(図1)。─医師の診察を受けるのはハードルが高いですね。生島 その一方で、英国ではタスクシフティング(医療行為の一部の他の職種への委譲)が進んでいて、看護師などのコメディカルもプライマリ・ケアに対応しています。診療所看護師は医師から独立した形で診察をおこなってりません。ちなみに、救急医療はNHSに加入していない人へも原則無料で提供されています。─逆に、どんなデメリットがあるのでしょうか。生島 税方式なので、財政状況により医療費が左右されます。医療の提供状況については、医師やスタッフが不足しており、少ないインセンティブのため競争原理が働かず、待機時間が常に長く混出典:JMARIリサーチ・レポート No.128(図1)GPの紹介から治療開始までの待期期間97

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