KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年9月号
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「若いころ、貿易の仕事で忙しく飛び回っていました。『いつまでこんなことをやっているのかなあ。自分の感性でものを作って暮らしたら楽しいんじゃないかな』と考えるようになり、ずっとやりたかったろくろを使う陶芸を始めました」常識にとらわれない造形物を次々と生み出し、1年後に開いた作品展では個性的な作品のみならず、斬新な空間づくりで周囲を驚かせた。制作動機も個性的。「カサブランカを飾りたい」。制作した花瓶は強烈なインパクトのある超大作。「大好きな石阪春生画伯の絵のための額縁を作りたい」。出来上がった作品は画伯を「ほー」と感心させた。「釉薬をかけて描いてみたらどうだろう」という発想から生まれたヒョウ柄は「こんな柄は世界中どこを探してもな生活空間コーディネーターの中島典子さん。心を和ませてくれる「書」とダイナミックな「陶芸」、そして四季折々の「しつらえ」を長年にわたって紹介してきた。「これが最後」という作品展を7月27日から29日、ホテルオークラ神戸で開いた。会場を訪ね、作品のことや今までのことなどお話を伺った。美しいものをたくさん見て、楽しく丁寧に生きる中島典子88

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