KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年9月号
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いったり。人の声って最高の楽器だと思う。人の息ね。強い弱い、太い細い。朝は自分の息を意識しながら、です。それ以外の練習時間はムキになるのでよくないですよ。自分がグッとくる音をひたすら探してるとき、口の中が血だらけになることがある。…練習の仕方が間違ってるんです。最近ようやく気づいた(笑)Q.音楽と“付き合ってる”感じですね。自分が自由になるために音楽をやってる時期もあったけど、いま、理由は明確なの。人とひとつになりたいからです。女とか男とか年齢とか、職業も関係なく、みんながひとつになれるのが音楽。楽器をやらなくても、聴くだけでもね。僕は音楽家だからステージにいる。伝導体のつもりです。本当にひとつになって、ステージと客席とが一緒にフワ~~ッと浮くような体験を何回かしたことがあってね、またそんな音楽ができたらいいなといつも思っています。技巧より、ひとつになること。僕にとって音楽ってそういうことです。Q.神戸のライブハウス『チキンジョージ』とのお付き合いも長いです。共に育ってきた感じがします。古い時代、キャバレーの2階にあった頃から。時代的にも面白かったし、みんな若かったし、ライブ後は何軒もはしごして、いつも楽しかった。神戸の街はよ~く知っています(笑)演奏も思いっきりやらせてもらって。それは今も変わらずです。神戸ではいい演奏ができるんですよ。今回のアルバム特典に、2022年のチキンジョージでのライブ動画を2曲収録しています。今年も行きます。神戸で会いましょう。伊東たけし1954年福岡市生まれ。大学在学中よりサックス・プレイヤーとして活動する傍ら、学生ビッグバンドではコンサート・マスターを務める。数々のコンテストで多くの賞を獲得。1977年にTHE SQUARE(現 T-SQUARE)に加入、プロデビューし、フロント・マンとして活躍。1991年に退団、ソロ・プレイヤーに専念。2000年にT-SQUARE復帰。公式HPはこちらPhoto.ReRa Photoworks 黒川 勇人33

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