前回に続いて襖の製造工程をご紹介します。今回の工程は建具職人による仕事になります。襖の下地はまず、再度寸法を計測して微調整。必要に応じて裁断し直角に加工します。続いて引手の位置に穴を空けていきます。下地骨の引手板の部分に、引手のパーツがぴたりと、はまるよう慎重に穴の形を整えます。引手の素材や形はさまざまで、デザインひとつで襖の印象はガラリと変わります。次に上張りに使う襖紙を、襖よりも糊のりしろ代の分だけ大きめにカット。襖紙の素材は紙、布、ビニールなど様々ですが、風合いの良い和紙が人気です。下張りと上張りの間に、もう1層紙を張ります。これは受け紙といい、下地と襖紙が直接触れないようにして空気の層をつくり、断熱性を高めるとともに、湿気を吸収し襖紙をヨレにくくする働きがあります。襖紙は霧吹きで水を吹きかけ、サイズを一回り大きくします。糊付けは、下地に接する四周の糊代にしっかりと。さらに受け紙が触れる部分に、薄いでん平尾工務店木のすまいプロジェクト失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。襖編|Vol.5上張り132
元のページ ../index.html#132