に合わせてコンビネーションさせて検査を進め、診断しています。―IVRはどんな方法で行われる治療ですか。一つは血管系のIVRです。例えば外科の人工血管置換手術を低侵襲で行う方法として、X線透視で確認しながらカテーテルを血管内に通し、脳や心臓の血管が細くなっている部分でカテーテルに付いた風船を膨らませて血管を広げ、時にステントを留置して血流を確保します。大動脈瘤の治療では血管内にカバーのついたステントを入れて新たな血液の道をつくり破裂を防ぎます。また出血している部位に塞栓剤を流して止血したり、腫瘍を栄養している血管を詰めて兵糧攻めにする治療もあります。非血管性のIVRには、細い針「穿刺針」を超音波を見ながら皮膚面から肝臓内のがんに刺して、ラジオ波で焼き切ったり、手術後にたまったうみを抜き取ったりする治療があります。脊椎に転移したがんの細胞を針で吸引採取して病理検査し、どこから飛んできたのか(原発巣はどこか)を突き止めることも可能です。―放射線科医が担当するのですか。心臓や脳のIVRは循環器内科や腦外科が担当して放射線科のマンパワー不足が補われています。一方、新しい器具や技術が開発され、四肢や腹部や胸部など身体の他の部分で次々とIVRが担う領域が広がってきており、マンパワー不足はなかなか解消されません。―人材育成が急務ですね。大学を卒業すると最初の2年間は内科、外科などいくつかの診療科を回って研修します。放射線科は必須ではないですが必ず1―2か月は回るようにと学生たちには勧めています。そうすれば、放射線科で患者さんがどのように検査を受けて、どのような検査で何が分かり、放射線科のレポート(所見)に書いてある意味がよく理解できるようになると思います。放射線科に画像診断を依頼しない診療科はありません。のでしょうか。撮影しやすい場所が画像診断に適した場所です。例えば、頭の中や骨盤はレントゲンでは骨しか鮮明には映りません。CTなら細部まで見ることができますが、骨がX線を吸収するので骨で覆われた部分は十分なX線が届かずあまり詳細な画像は期待できません。MRIなら体の中の水素から出る信号を捉えているので、骨の影響を受けずに細部まで描出できます。つまり骨や脊椎骨にカバーされている中枢神経、骨盤や関節などの画像診断にはMRIが適し、逆に空気が多い肺や呼吸性の動きの多い上腹部はCTが適しています。核医学検査はCT、MRIより画素数が少なく幾分ボヤっとした画像ですが、PET検査ではFDGが行き渡る全身を見ることができます。例えば、がんがどこに発生しているのかを調べたいときには、がん細胞に集まるFDGを使うと集まっている場所にがんがあることが疑われ、CTやMRIで更にその場所を詳しく調べる次の段階に進めます。それぞれ特性のある検査を疑われる病気の種類102
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