KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年8月号
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の1人ぐらいが乳がんになる割合です。神大病院でも年間約200件、1週間に約4件程度の頻度で手術が行われています。また他のがんと違って比較的若い時期に発症するという特徴があり、一般的に他のがんは70代以降に増えてくるものが多いのですが、乳がんの場合は40代から60代の患者さんが多く、発症のピークは50歳前後です。―乳がんは転移しやすいのですか。がんの転移には2つのパターンがあり、一つは体の表面に網の目のように張りめぐらされたリンパ管を通じて流れていきます。乳がんの場合はまず脇のリンパ節にたどり着き転移が見つかります。もう一つは血管を通じて他の臓器へと流れていきます。肺や肝臓、骨に転移するケースが比較的多くみられ、乳腺のしこりがある程度大きくなっているケースでの転移が多いのですが、稀に遠隔へ飛びやすい性質のがんもあります。―治療にはどういう方法があるのですか。完治を目指して治療する場合は外科手術と併せて抗がん剤を使ったり、ホルン療法を併用したりして再発のリスクを抑えます。また、できるだけがん細胞だけを狙い正常な細胞を守る分子標的薬に関して乳がんの場合、HER2(ハーツー︶タンパクを狙うと非常に効果が高いということが分っています。97

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