KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年8月号
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した。「やります!」とお返事をくださった時は嬉しかったです。芝居をしている人を演じる、いい人なんだけど本当かな?という奇妙な役をイメージ通りに演じてくださいました。Q.でんでんさん演じるペンションのオーナーも印象的です。三上の対局にいるのが、でんでんさんにお願いした浅田という人物です。10年以上ロケ地としてお世話になっているペンションの社長さんがモデルです。ペンションには住み込みで働いている若い子がいて、家族のように暮らしています。普通にご飯を食べながら、何気ない話をする感じです。お金を払って作る偽りの家族と、血のつながりはないけど信頼し合えるコミュニティ。選択肢は他にもあるよね、という提示にしたいと考えました。Q.監督が1番伝えたかったことは?人間をレンタルするビジネスは、ドイツ人映画監督ヴェルナー・ヘルツォークが映画化し、2019年にカンヌ国際映画祭で上映されています。「日本にこんな滑稽なサービスがあります」「日本人おかしくないか?」という問いかけをはっきりと感じる作品でした。欧米では成り立たないビジネスなのでしょう。今回井筒監督がくれたコメントに「見栄を張る、体裁を取り繕う日本人」という言葉があります。人と違うことを嫌う、足並みを揃えることを好む。それは周りに気遣いができる日本人の良さとも言えますが、そうじゃなくてもう一歩、「自分をもつ」という方向に変わってもいいと思っています。でもこれは僕の考え。あとは皆様にお任せします。作品情報『レンタル×ファミリー』【出   演】塩谷瞬 川上なな実白石優愛 でんでん【脚本・監督】阪本武仁【プロデューサー】南陽 小林加奈【共同プロデューサー】和田裕之【脚   本】土屋和彦 宮沢厚希ナカムラユーキ【撮   影】飯田佳之 戚世 中村祐樹【原   作】石井裕一「人間レンタル屋」(鉄人社)【配   給】Atemo【宣   伝】アリエルガーデン©映画「レンタル×ファミリー」製作委員会107分/5.1ch/2:1/カラー/日本/2023年/G公式サイト:rentalfamily-movie.comプロフィール阪本武仁(さかもとたけひと)1981年生まれ。大阪府出身。NCF映像2期にて井筒和幸監督に師事。『パッチギ!』(2004/井筒和幸監督)に演出部ボランティアスタッフとして参加。卒業後上京し『大帝の剣』(2006/堤幸彦監督)、『手紙』(2007/生野慈朗監督)、『キトキト!』(2007/吉田康弘監督)、『20世紀少年~もう1つの第二章~』(2008/堤幸彦監督・木村ひさし監督)、『告白』(2009/中島哲也監督)などの作品に助監督として参加。映画『エターナル・マリア』(2016)で長編映画の初監督を努める。33

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