かわからないことに怖気づいている学芸員の顔をみるのも怖いということもあります。まあ、冗談はさておき、担当の山本さんは僕の作品の中から恐怖を暗示する作品をかき集めて、それをお化け屋敷のような空間というか、環境を設定して、おどろおどろしい場面を各所に流出することで、これでもか、これでもか、と観客を手玉にとって、いちかばちかの捨て身の演出をヤケクソでやってみた。ところが想像に反してというか、想像通りに若い女学生などをギャーギャー言わせる悪趣味な展覧会を、どうせ横尾さんは見にこないにきまっている、知るもんか、やってまえと、血液型B型山本学芸員は今までA型のようにネコをかぶっていたその仮面を剥いで、本性を現したというわけです。頭で考えた発想ではなく、肉体で感じとった発想でないとこの1515
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