引き続き木と紙でつくる組子襖を例に、襖の製造工程をご紹介します。完成した下地骨に下張り、上張りと何層か紙を貼り付けていきますが、今回は現在メジャーになっている、下張りにチップボールを貼った襖の製造についてみていきましょう。チップボールとは板紙の一種で、厚みがあるので丈夫なだけでなく、吸湿性や保温性、遮音性も有しています。また、原料として古紙を利用しているので、エコなリサイクル素材でもあります。チップボールを用いた襖は建て付けの良さも魅力であり、それまで骨縛り・べた貼りと2回貼っていたものが1度の工程に合理化されて、コスト面でもすぐれています。さて、下張りするチップボードはそのまま貼り付けるのではなく、まずは均一に水をふりかけます。こうやって湿らせることで、1割ほど膨張します。次に、下地骨の両面に糊をつけます。ここに湿らせたチップボールを表面・裏面とも貼って、ホットプレス機で両面から熱を平尾工務店木のすまいプロジェクト失われつつある日本伝統の建築文化を未来へ。連綿と受け継がれてきた匠たちの仕事をご紹介します。襖編|Vol.4下張り132
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