KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年8月号
101/136

以前、中央区相生町で店舗を構えていた『禁煙酒場 ゼファー食堂』が移転したと聞き再訪問した。阪急三宮駅からほど近い場所にあるビルの階段を駆けあがる。「この立地は便利、しかも見事なまでに隠れ家だ」。時計を確認すると「ちょ~ど」開店時間だったので扉を開けると愛くるしいパンダの暖簾と再会することができた。「今年1月に移転してきました。店舗名の由来?昔から単車好きでニックネームからとりました」。久々にもかかわらずカウンター越しで気さくに応じてくれるのは店主の西岡朋尚さん。なんと博士(医学)の称号を持つ経歴の持ち主だ。「以前は厚労省や製薬メーカーで免疫学の研究をしていました。脱サラして念願の店舗を令和元年8月1日に開業しました。物を作ることや飲むことは基礎医学とも親和性があります」と笑う。まずは魚介の旨味が染み出る「エビ酒」と「名物セルフ炙り」を注文した。日本各地から仕入れた選りすぐりの逸品や自作の干物を自身で炙りながら楽しめる贅沢なひと時。次に運ばれてきたのはカテキンが大量に摂取できる「お茶~麺」。健康志向の方にはうってつけである。メニュー表にはそれぞれの特徴や効能がユニークに記されており食のエンターテインメントが体験できる。駅前に出現した最強スポット、これからは合間に「3時のお酒」を楽しむことができる。第116回神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力■『禁煙酒場 ゼファー食堂』神戸市中央区中山手通1-4-23レインボービル2階【営】15:00~22:00(L.O.21:30)【休】日・祝/土曜不定休トレードマークのパンダ暖簾豪華絢爛な炙り、エビ酒には比較酒がついてくる■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「球友再会」(月刊神戸っ子)すべての料理が目と舌で楽しめる奇想天外な居酒屋が三宮に上陸『禁煙酒場 ゼファー食堂』101

元のページ  ../index.html#101

このブックを見る