KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年7月号
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「フランス料理」と聞けば未だに少し緊張する。よくドラマや映画で観るシーンを想像するからだ。最近、そんな先入観を払拭するお店と出会った。「母親が作る玉子焼きが好きで料理に関心を持ちました。14歳の秋、白い制服と帽子に憧れ渡仏しました」。来月で1周年を迎える『Brasserie POTIRON』(ブラッスリー ポチロン)のオーナーシェフ萱澤昌浩さんはカジュアルスタイルのお店を展開し注目を集めている。青春時代は『フランス甲南学園トゥレーヌ』に在籍し勉学の傍ら町の飲食店で基礎を学んだ。帰国後は大学の歯学部へ進学するも料理への道が諦めきれず大阪、東京で腕を磨いた。フランス料理の魅力について尋ねたところ「豚とじゃがいもをうまく使い変化させるところです。豚は余すことなく血まで料理に使います」と言いながら調理にかかる。その言葉の通り、定番メニューである「豚肩ロースのグリエ」、「パテ・ド・カンパーニュ」、「自家製ソーセージ」は想定外の味とビジュアルが楽しめる。「地元で食べる家庭的な味を提供しています。使用する神戸ポークはパンで育っており肉に甘味があります」。気になる店名の由来について聞いてみた。「ポチロンはフランス語で南瓜を意味します。実は私の誕生日が10月31日でして…ハロウィンにかけました」と笑う。今後はジャンルにとらわれず好きなお店を増やしていきたいと語る萱澤さん。様々なシーンで覗きたくなるお店である。第115回本物のフランス料理に出会えるお店『Brasserie POTIRON』神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力■Brasserie POTIRON神戸市中央区下山手通2-17-10ライオンビル三宮館1F【営】[月~土]17:00~23:00 (L.O.22:00) [日・祝]17:00~22:00 (L.O.21:00)【休】水曜日芳醇な豚肉料理を堪能彩豊かな前菜がお皿を彩る■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「球友再会」(月刊神戸っ子)ハロウィン生まれのオーナーシェフ萱澤昌浩さん87

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