KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年7月号
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ところが1960年代に薬剤耐性菌が出現して抗生物質では治らない感染症があることに気付いたアメリカでは一気に感染症の専門医育成に動き始め、内科か小児科の専門医が次のステップとして感染症のトレーニングを受けて専門医になることが当たり前になりました。一方、日本は薬剤耐性菌に関する基礎研究にさらに力を入れ、臨床では遅れをとってしまいます。80〜90年代、MRSAという耐性菌による院内感染が社会問題になったのを機に少しずつ臨床に目が向き、21世紀になってやっと実習が始まりました。―日本でも感染症専門医が育成され始めたのですね。それまでは他分野の専門医が感染症医を兼ねていました。ここ10年ほどでかなり感染症を専門とする先生方が増えてきました。現在、神戸大学病院の感染症内科では、私をはじめスタッフ全員が患者さんを全般的に診ることができる内科医あるいは小児科医であり、83

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