KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年7月号
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時間いたいなと思ったけど、実際はほとんどがワンテイクです。リハーサルとも違う、ライブとも違う、その日、その瞬間の音を大事にしたかった。それがジャズの面白さなので。Q.オリジナル曲。タイトルに込めた思いは?『エッグ・オン・ザ・ルーフ』。子どもの頃の悪戯から命名しました。真夏、炎天下ですよ、瓦に卵を落として目玉焼きを作った。何故そんなことをしたのか、理由は兄に聞いてください(笑)。『アクエリアス』は自分でも好きなバラードです。みずがめ座ですね。1人、星を見ながら聴いてみてください。1日の終わりに穏やかな気分になってくれたら嬉しいな。『マダム・レオ』。これはいい曲ができたなと思ってね、妻へのプレゼント。普段あまりプレゼントしないので。喜んでくれてるんじゃないかな。Q.最後は『ゴージャス』(ミッチェル・フォアマン作曲)ですね。随分前に兄に教えてもらった曲。兄はゲイリー・バートン(ヴィブラフォン奏者)に教えてもらったそうです。当時は自分が演奏する絵が描けなかったけど、今回、このメンバーで演奏したいと思いました。今回は、曲の終わり方がすごく気に入っていて。高橋信之介くんの提案で、ユニゾンになっています。最後の1音まで大事にしたいという気持ちを汲んでくれた信之介くんには感謝です。Q.この秋には、リニューアルオープンする神戸朝日ホールでのライブを予定されています。やっぱりリスナブルなジャズを届けたいですね。スウィングしたいな。オリジナルももちろん。メンバーが変わるとどんな感じになるのか、僕も楽しみです。アルバムを聴いてくださった方の感想を見ていると、作曲した僕と違う感じ方をしていることもあって、改めて音楽は面白いなと思っています。作る人、演奏する人、聴く人、それぞれ自由に楽しんだらいい。ただひとつ、音楽にハートは大事。これはみな共通。小おぞね曽根 啓ひろし公演情報1964年、神戸市生まれ。高校時代よりサックスを始める。1982年、バークリー音楽院に留学。卒業後、神戸に戻り、オゾネミュージックスクール講師として後進の育成にあたる。1993、94年、小曽根真率いるニューポート・ジャズ・オーケストラの大阪/福岡ブルーノート・ツアーに参加。2012、13年、小曽根真TRIO&QUARTETでブランフォード・マルサリス、クリスチャン・マクブライド、ジェフ“テイン”ワッツと共演。2013年よりKOBE JAZZ FESTIVAL出演。『小曽根啓カルテット Special Concert』■日 時 10月15日(日)16:00開演■出 演  小曽根啓(Sax)、時安吉宏(B)、 堀智彦(Pf)、引田裕路(Ds)■会 場 神戸朝日ホール■問合せ 株式会社Mitt      03-6265-3201 (平日12:00~17:00)31

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