神代朴、神代栓せん、神代桂を使い、さまざまな木の色合いを活かして絵を描いているのです。少し展示品から離れて見ると写真のようにハッキリとした絵に見えます。カメラを通しても同じように見えます。遠くまで幾重にも連なる山並みに囲まれた盆地に川が流れ、集落が描かれています。しかし、実際に組子を間近に見てもまるで違って見えるでしょう。比べるうちに葉を構成する部材の一部に色の違う材がまぜられていることに気づきます。そう、ほんの一材だけわずかに異なる色が配されているのです。まるで油絵を描くかのごとく、同じ技法が使われています。いろいろな種類の組子を使うのは、実は形の組み合わせだけでなく、葉の密度による光の透過率を操作しているのです。光輝く川の表面を表現するため、できるだけ隙間の空いた組子を選択しています。そして、建具としての強度を満足させるためのバランスも考慮しているのです。繊細な技に秘められた美の世界をお楽しみ下さい。(主任学芸員・西山マルセーロ)神戸市中央区熊内町7-5-1Tel.078-242-0216休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)開館時間:9:30~16:30(入館は16:00まで)https://www.dougukan.jp/ 左上・右上:いろいろな組子右下:三つ組手TAKENAKA CARPENTRY TOOLS MUSEUM竹中大工道具館15
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