KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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標高約800m。時にはさわやかに風そよぎ、時にはしっとりと霧に濡れる六甲の森の中に、小さなウイスキー蔵がお目見えしたのは2年ほど前のこと。遊休施設を活用した六甲山上活性化の一環として、大手製薬メーカーの保養所だった建物に手を加え誕生したのが、この六甲山蒸留所だ。ここでは本場・スコットランドから輸入したモルト原酒を、敷地内の井戸に涌出した六甲の天然水で調整し樽詰めして追熟させている。ミズナラの樽で寝かせた「MIZUNARA」シリーズは、麦芽の甘味とコク際立つノンピーテッドタイプと、ほのかな燻香が特徴のピーテッドタイプの2種。六甲山麓の御影郷を代表する酒蔵、菊正宗とコラボし、吉野杉の日本酒樽に充填した「杉樽FINISH」の清酒の如きフルーティーさは、まさに神戸の地だからこそ引き出せるのだろう。特集新緑の六甲山を行く霧深き森で、じっくりと醸す自然が育むディスティラリー六甲山蒸溜所六甲とウイスキーには深い縁がある。六甲山の開祖、グルームが創設した神戸ゴルフ倶楽部1番ホールは、ホールインワンするとグルーム愛飲のスコッチが1箱贈呈されたとか。90

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