KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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うになり、やがて1933年、六甲山中に遷御、白髭大明神、白菊大明神と名付けて奉祀したのが白髭神社だ。この六甲の守り神は創建90年を迎えるが、現在、前を通る県道16号の拡幅・歩道整備がおこなわれており、敷地内も工事の対象区域となっているため移設される予定だ。場所は現在地とほとんど変わらないが、土地の切り下げのため2メートルほど低い位置になる。地元の財産区が管理する敷地はやや狭くなる一方で参道の急階段がなくなり、歩道から入りやすくなってお詣りが便利になりそうだ。きつねたちも新しい住処を心待ちにしているだろう。工事完了は来年春の予定。ドライバーは運転しやすく、歩行者は安全になり、六甲を訪ねる人たちにも嬉しい。心通わせたきつねたちが宿るお杜の前で、六甲山の発展を願ってやまなかったグルームの夢がまたひとつ叶うことになるだろう。『グルームさんとしっぽの白いキツネ』文/かめいすみお 絵/山口恵子発行 JDC出版1,760円書籍の紹介きつねとのエピソードから稲荷神社として祀られる六甲山頂の道路拡張、歩道整備に合わせて白髭神社も移設されることに89

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