記念碑台前と丁字ヶ辻のちょうど中間あたりにひっそりと佇む白髭神社には、六甲山の開祖、英国人のアーサー・H・グルーム(1846~1918)にまつわる知られざる物語が秘められている。ある日、グルームが六甲山の自宅で寛いでいると、猟師に追われてきたのか、尾っぽの先が白いきつねが逃げ込んできた。グルームはそのきつねをかくまい、餌を与えた。すると、2匹の親きつねと3匹の子ぎつねが毎日のようにグルーム邸に姿を見せすっかり懐き、時にはグルームの膝の上ですやすやと微睡むように。ところがそんな幸せな日々は長く続かず、グルームは怪我がもとで亡くなってしまった。すると、その日を境にきつねの親子は全く来なくなってしまう。それから1年ほど経った冬の日のこと。グルームの子息の家に見知らぬ5人の男が訪ねてきて、そのうちの1人に尾っぽの先が白いきつねの霊が乗り移っていると伝えられた。グルーム家の人たちはその霊を家の中に祀るよ特集新緑の六甲山を行くきつねとグルームの絆をいまに伝える小さなお社白髭神社六甲山開祖アーサー・H・グルームにまつわる白髭神社88
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