KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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盛山 平成27年に旅行収支が53年ぶりに黒字に転化し、令和元年に訪日外国人旅行者数は3,188万人を記録しました。安全で、美味しい食や観光資源がたくさんある日本へ行こうと外国人の方に思っていただけるようになったからです。新型コロナウイルス感染症も落ち着きインバウンドが戻りつつあり、さらに起爆剤となる大阪・関西万博が2025年に開催されます。大都市でありながら海と山が近接している立地は世界でも珍しく、有馬をはじめとする温泉や神戸ビーフを含めて日本の食を楽しむためには素晴らしい環境です。限られた時間でどう効率良く買い物をしてもらうか、アクセスをどうするのかなど、訪日客のニーズについての課題を解決しながら、海外から大阪に来る人たちに神戸へ足を運んでもらうためにこの街の魅力をアピールすることが重要ですね。久元 観光地一点集中ではなく、六甲山に上り、三宮や元町、ウォーターフロント、新開地のような下町も回遊し、市民が普段から楽しんでいるライフスタイルを同じように楽しんでいただくのも観光の在り方の一つではないでしょうか。盛山 そうですね。観光客が集中して市民生活に支障が出るようでは困ります。住む人が快適だと思えるということは他所の人から見ても快適だということで良い観光地であるということです。身近な所にも魅力がいろいろあることを発信することも大切ですね。森林資源の活用で自然保護林業や市民の健康にも資する―六甲山の豊かな森林資源活用についてのお考えは?久元 兵庫県全体に貢献する神戸市の施策の一つが県産材の活用です。公共の建築物にも取り入れ、例えば先日完成した鈴蘭台西町保育所をはじめ、中央区役所や磯上体育館、垂水体育館などで建物内外にふんだんに県産材を使っています。大手ゼネコンで進められている駆体に木材を使う取り組みも神戸市では積極リニューアルした東遊園地を望む。今後はポートアイランドの緑化を行う86

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