ると考えました。遊休化した建物等のリニューアル支援制度、企業や個人が六甲山に滞在して働きながら思い思いの時間を過ごすシェアオフィス「ロコノマド」、光ファイバー敷設、不動産の売買・賃貸を紹介する窓口開設、上水道料金を他地域と同レベルにするなど具体策を進めてきました。同時にホテルやアスレチックのオープン、山上にウイスキーの醸造場ができるなど、予期しなかったことも始まりました。盛山 街中とは全く違う空気感がありながら中心部から近い。その様な六甲山の魅力を生かし、どうすれば多くの人が山の上で働き、生活できるかを考えることが重要だと思います。仕事には欠かせない光ファイバーや、別荘地だから高くても仕方がないと思われていた上水道など、今の時代に必要なものは何か、公共サービスとして提供すべきことは何かを神戸市が考え、取り組みを進めていることは高く評価されるべきです。今後は意欲のある民間企業などとタイアップしながら、誰もが何かを体験したいと思うような場所になるといいですね。久元 国からは一定の規制緩和をいただき感謝しています。今後は景観を阻害しない範囲での高さ規制緩和や、乱開発を助長し素晴らしい自然環境を台無しにすることがない樹木伐採のルールなどお願いしたいと思っています。盛山 国立公園の規制について、環境省のスタンスもかなり変わってきました。当初は人を入れずに手付かずの自然を残そうと考えていましたが、厳しい規制を弾力的に緩和して多くの人が国立公園を満喫し、自然環境の大切さを理解してもらおうとしています。国と地方の担当者が話し合って国立公園を使いやすいかたちにできると思います。神戸ならではの新しい観光の在り方―神戸の観光についてのお考えをお聞かせください。国の規制が緩和されたことで様々な活用が可能となった。シェアオフィス「ロコノマド」(撮影/藤田育)85
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