KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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には近代登山が根付き、市民に受け継がれ親しまれてきました。残念ながら網の目のように張り巡らされていた登山道は人が入らなくなり荒れ果て、案内板は朽ち、土砂崩れが放置されている箇所もあります。もう一度、市民に山に親しんでもらい、国内の他の地域から、海外からも来ていただこうというプロジェクトです。盛山 トイレが整備されたり、案内板が読みやすくなったりしています。さらに取り組みを進めていただけるとありがたいですね。私は丸井さん(※)のグルームさんを題材にした絵本づくりをお手伝いしました。当時の日本人は余暇という考え方など知らない時代だったと思います。外国からの観光客から始まり、グルームさんのような経済的余力のある外国人が六甲山へ避暑を兼ねて登り、ゴルフ場を作り、家を建て、六甲山を活用して楽しんでいることを市民が目の当たりにして受け継いできたのでしょうね。六甲山で仕事をしながら思い思いの暮らしを楽しむ―活用方法の一つ「六甲山上スマートシティ構想」とは?久元 関西を代表する保養地となった六甲山ではバブル崩壊後、企業の保養所や別荘が急速に遊休化し、中には朽ち果てているものもあります。人々の働き方や暮らし方が変化してワーケーションや多拠点居住などという言葉が生まれる今、市街地に居ながら奇麗な空気を吸い、小鳥のさえずりを聞き、夜景を眺めながらクリエイティブな活動をするというニーズは間違いなくあります。神戸市では今まで温めてきた山上にオフィスや工房、コワーキングスペース、また長期滞在型の宿泊施設を作るという考え方で、コロナの真っただ中2020年5月「六甲山上スマートシティ構想」を立ち上げました。この発想はコロナの時代だからこそ求められていて、六甲山には大きな可能性があ宿泊施設「ホテル神戸六甲迎賓館」(提供/株式会社エイム)遊休施設を改修して新たに活用したオフィス84

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