KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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た。経済的重要性も高いという背景があり、国は砂防事務所を開設しました。六甲砂防は全国で最も管轄エリアが狭い事務所です。風化しやすく崩れやすい花崗岩によって起きる災害から神戸を守ろうと治山治水対策が始まり、平成30年の西日本豪雨でも人的被害が出なかったことは、長年にわたる地道な努力の成果に他ならないと思います。登って親しむ六甲山神戸登山プロジェクト―登山を楽しむ市民が減っているようですね。盛山 国では自然を守り、海外からの観光客に来てもらおうと国立公園の整備を始め、六甲山を含む瀬戸内海国立公園も昭和9年に雲仙国立公園、霧島国立公園と共に日本で初めての国立公園として指定されました。島が点在する美しい瀬戸内海を守り、緑に恵まれた六甲の山々が海にせまる景観を見てもらい、利用してもらおうと植林や道路整備などを進めてきました。しかし最近は私が所属する神戸ヒヨコ登山会でも高齢化が進み、登山を楽しむ人の絶対数が減っていると実感しています。山は荒れがちで有志が少しずつ整備しても追いつかない状況です。―そこで神戸市では「神戸登山プロジェクト」を始めたのですね。久元 英国人のアーサー・ヘスケス・グルームの手で神戸神戸市長久元 喜造さん1954年神戸市兵庫区生まれ、1976年東京大学法学部卒業、同年旧自治省入省。内閣審議官、総務省選挙部長、同自治行政局長などを経て、神戸市副市長。2013年に神戸市長に当選、現在3期目。2022年4月指定都市市長会会長に就任。多くの堰提と砂防ダムにより六甲山の自然は保たれている(提供/神戸市)83

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