KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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人気のグランピングでは、森の中の高級レストランのようにセットアップされた料理を提供するところが多く、アウトドア本来の醍醐味は薄い。一方、アウトドア上級者向けのサバイバルなキャンプにトライするとなるとハードルが高い。両極端で、自然に没入しながら本格料理を気軽に楽しみたいというニーズのド真ん中に応えてくれる施設がない。それならば、理想とする施設のビジネスモデルを自分たちで作って、消費者がアウトドアに本能的に求める欲求を満たしてもらおう!そうしてプロ並みのアウトドア料理を“自分で作って食べる”食体験に特化した、キュイジーヌ・グランピング「ネイチャーライブ」の実現プロジェクトが動き出した。地域の魅力を発信第1号は神戸・六甲に!刀では事業化にあたって、3つの指針と照らし合わせるという。「まずは“マーケティン「刀メソッド」炸裂の施設はいかにして誕生したのか? USJやネスタリゾート神戸(旧グリーンピア三木)のV字回復の立役者、森岡毅氏が率いる「株式会社 刀」。同社が提案する全く新しいグランピングとは?広報担当・松下教子さんに施設誕生のいきさつ、得られる体験価値、初のグランピング事業への抱負を伺った。「刀にはアウトドア好きなスタッフが多数在籍します。彼らが雑談の中で理想のアウトドア談義を重ねるなか、消費者が本当に求めている体験ができる施設ってないよね…というところから始まりました」と松下さん。グとエンターテイメントで日本を元気に!”という当社の大義にフィットする事業か。次に自社の強みを活かせるか。最後に持続可能な事業として成立するか」。テーマパーク等で突出した体験を創りだし、実績をあげてきた会社ゆえ、体験価値の提供には自信がある。また大がかりなテーマパーク案件よりも土地や投資額が小さく、取り組みやすい地域活性化ビジネスモデルを創出したいという思いもあった。刀独自のマーケティングメソッドを活かして検証を行い、「ネイチャーライブ」第1号開業の地に六甲を選択。理由は地理的優位性が高かったこと。神戸や大阪という大都市から近く、集客に期待が持てた。日本屈指の絶景も吸引力になる。地産食材や美味しい水が豊富に揃うことも、キュイジーヌ・グランピングにぴったりと考えたのだ。神戸市の賑わい創出事業の認定など、地元の理解と協力が得られたことも後押しとなった。刀にとって初のアウトドア・グランピング分野での事業展開三角屋根の2階建てコテージ71

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