KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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その名の通り、六甲山上の静かな森に佇む総合リゾート施設、六甲山サイレンスリゾート。本誌読者の諸兄諸姉には、旧六甲山ホテルと紹介した方が親しみがわくかもしれない。その名門ホテルの建築は健在で、まもなく築100年を迎える山小屋風の建物は往時の佇まいを残しつつ、修復により現代的な寛ぎ方に対応すべく進化。この旧館は時代を超え、「おもてなし」の心を空間に体現している。この修復を手がけたのは、イタリア人の世界的建築家、ミケーレ・デ・ルッキ氏。さらにいま、彼が設計する円盤形のホテルを新設するプロジェクトが進行中で、再来年竣工予定。景観を損なわぬよう木の伐採は最小限にとどめ、まさに六甲山の自然を呼吸するようなステイを愉しめるようになるだろう。伝統を引き継ぎ未来へ旧館のカフェテリアでは、いつでも気軽にスイーツや軽食を。敷地内でとれた自家養蜂のはちみつをふんだんに使ったドルチェや、毎月内容が変わる英国式アフタヌーンティーセット(要予約)が人気。旧六甲山ホテルのスペシャリテのアップルパイは進化しつつも、根強いファンからのオーダーが絶えない。バリスタが淹れたコーヒーの余韻に浸りながら、ふと見上げると1929年製のステンドグラスが。まるで時空を往来するようだ。このご時世に嬉しい個室も完備。ここでは愛犬と一緒にゆったりと過ごすことができる。一方、空のダイニングでは、絶景という名のスパイスがこだわりのメニューをさらに美味に。マリンブルーを眺めながらのランチで、はたまた煌めく神戸を見下ろすディナーで、但馬ビーフや八鹿豚、地場の野菜や季節の素材をふんだんに織り込んだコースや美味の向こうに絶景宿泊施設「サイレンスリング」は2025年の完成をめざす67

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