KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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経営者の視点で見た神戸の魅力はなんでしょうか?神戸といえば港町ということもあり、非常に国際化が進んで多種多様な文化が融合された街です。そういう意味では、新しいことを始めることに適した街ですし、人も文化も情報も集まりやすい場所のように思います。産業という点では重工業・鉄鋼・医療分野も栄えていますし、医療産業都市のような枠組みもあり、本当に新しい事業が始めやすい環境ではあるかなと思っています。最後に、将来の夢や目標をお聞かせください。メディカロイドは、「医療ロボットを通してみんなが安心して暮らせる高齢化社会をサポートする」というミッションを掲げています。そのために、いまは、「hinotori」がメインの事業になっていますが、これ以外のロボットも手掛けていきたいと考えています。例えば、病院の中で考えると、手術以外のところや介護の現場、救急救命で使われるようなロボットを使って、医療、あるいは社会に役立つ企業を目指していきます。その中で、まずは、「hinotori」の事業をしっかり立ち上げて、国内で広げた後は海外に展開していき、「hinotori」で得たノウハウを次の新しいロボット開発に活かしていきたいと思っています。株式会社メディカロイド(Medicaroid Corporation)神戸市中央区港島南町1-6-5国際医療開発センター6階https://www.medicaroid.com/〈取材を終えて〉革新的な医療技術を創出し、神戸経済の活性化を目指す「神戸医療産業都市」。それぞれの分野で神戸を代表する企業が垣根を越えて融合したメディカロイドはこれを象徴する企業だ。取材を通して、先端技術をもって新たな価値を創造する、という川崎重工業のものづくりに対するイズムと、シスメックスが使命として掲げる、ヘルスケアの進化をデザインするという想いが相乗効果となって、未来に明るい光を届ける製品が神戸から発信されていくのではないかという期待感を抱いた。「hinotori」は、これまで、まずは国内で展開してきたが、次のフェーズとしてグローバル展開に向けて、今年4月にシンガポールの健康科学庁へ薬事承認申請を行った。承認されれば初の海外進出。また新たな風が神戸から吹きそうだ。〈プロフィール〉蔭岡翔(かげおか しょう)放送作家・脚本家神戸市東灘区在住。関西の情報番組や経済番組などを企画・構成。日本放送作家協会関西支部監事。日本脚本家連盟関西地区総代みんなが安心して暮らせる高齢化社会をサポートする42

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