KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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Q ドラマでエンディングに流れた人気の曲ですね。はじまりから楽しくなるでしょう。伝統的なクラシックとアメリカのジャズの要素があって自由度が高い。そこがこの曲の魅力だと思います。第2主題、違うメロディが出てくるところ(歌いながら♪)も美しいし、最後の大団円はもう…ほんとにかっこいい。ガーシュインはアメリカ人で、曲が生まれたのは1924年。クラシック音楽としては “新しい”曲です。キラキラした、活気あるアメリカを感じます。Q 初めて聴いた日を覚えていますか?小学生でしたが「なんて盛り上がる曲なんだろう!」と、曲が進むにつれワクワクしたことを覚えています。最後までワクワクが続いて、曲が終わると「僕もいつかオーケストラと一緒に演奏できたらいいな(笑)」Q 演奏していかがでしたか?聴くのも楽しいけど、弾くのはもっともっと楽しかったです。ベートーヴェンのピアノコンチェルトと『ラプソディ・イン・ブルー』、印象は全然違いますが、どちらもオーケストラとピアノで演奏する同じ形式です。同じメンバーで演奏していても、曲が生まれた時代は100年以上違うし、国も違いますから、ベートーヴェンとガーシュインでは見えてくる景色は全然違う。この曲を演奏するとアメリカが見えてきて、それはもう楽しくて仕方がない。オーケストラの皆さんも同じじゃないかな(笑)。難しいのは統括する指揮者です。自由度が高いだけに、よりクレバーでいなければいけない。茂木さんとは以前も共演しているので信頼関係はできています。僕は茂木さんに身を委ねようと思っています。Q 漫画の中の音大生たちとの共通部分はありますか?音大生については良く再現されていて「わかる〜」と思うことがいっぱいです。普段の練習風景、先生との関係、コンクールの様子や留学について。僕はウィーンに留学したんですが、主人公ののだめちゃんと同じく、映画で語学を学びました。のだめちゃんはアニメでしたけど僕は『タイタニック』。回想シーンの多いストーリーがドイツ語の話し言葉を覚えるのに向いていると知って、何度も何度も観ました。なので『タイタニック』、めっちゃ詳しいです。Q 海外での学生生活はいかがでしたか?能動的に学ぶことを教えられました。話を聞くだけの講義はありません。自分の意見をもって、とにかく皆よく話をします。先生と反対意見でもいい。先生も話を聞くし、また自分の考えも話す。試験も筆記はほとんどなくて、口頭試験。予習とか暗記とかできない。しかも僕はドイツ語が不完全。でクラシック?ジャズ?ガーシュイン『ラプソディ・イン・ブルー』『のだめカンタービレ』と『石井カンタービレ』33

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