KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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だが、「実は最初に撮影したのが第7章の部分。そもそもは、パイロット版(正式な映画に先行して作る試験的な映像)として撮ったこの約15分の短編映画の企画だったんです」と阪本監督は説明する。さらに、このパイロット版に加え、企画を進めるために、「次に第6章を撮ることが決まった。これも約15分の短編でした」第七章では、黒木演じるおきくと、寛一郎演じる中次が登場。その場面にはいない池松演じる矢亮は、第六章で初めて登場している。つまり、「第七章を起点に、時間をさかのぼって序章から五章までを撮影。さらに七章の後の終章を撮っているんです」幾多の時代劇が撮られた歴史と伝統ある京都・太秦撮影所で、こんな常識を覆すような手法で原点回帰ともいえるモノクロ・スタンダードの時代劇の撮影が試みられていたのだ。脚本も手掛けた阪本監督は、「もちろん、こんな撮り方24

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