KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
103/136

夜が更けると生田神社の境内から程近い場所で叫び声がこだまする。「基本的にマジックは人々に驚きと不思議を与えます。僕は、そこに笑いの要素を取り入れオチをつけるようにしています。店名には関西人らしくツッコミを入れました」。ボトルがずらりと並ぶカウンター越しでそう語るのはMAGIC BAR『なんで屋!?』オーナーの橋本大輝さんだ。兵庫県三木市出身、8歳からマジックをはじめ17歳でプロの門を叩いた。学業では神戸高専を経て埼玉大学に進学。一貫して土木学を専攻しながら人生を模索した。「マジシャンは、頭の回転が必要とされる職業ですから理系タイプが向いています。就職活動もしましたが・・・しっくりこなかったですね」。師匠からの厳しい指導で取得したレパートリーは400種類。お店では老若男女が楽しめるよう30分程度に構成した選りすぐりのテーブルマジックショーを披露している。現在、店舗には6名のマジシャンが在籍しており高齢者施設、結婚式、企業パーティーへの出張サービスも行っている。「神戸のお客さんは温かい人が多いです。他店との違いはバーとしてこだわっているところです。マジックは、おつまみ程度です(笑)2018年に創業しましたが2号店を北野坂でオープンしました。今後はセミナー等で人材育成をしながら全国的にチェーン展開していきたいです」と語る橋本さん。最良のアテを目で楽しみ、店名を叫びながらグラスを傾けた。第114回話題沸騰!!マジックと飲食店の二刀流で勝負MAGIC BAR『なんで屋!?』神戸のカクシボタンkakushi button写真/文 岡 力■MAGIC BAR『なんで屋!?』神戸市中央区下山手通2-17-10ライオンビル三宮館B1【営】18:00~27:00【電】078-945-8060カウンターの向こうには一流マジシャンが揃う■岡力(おか りき)コラムニスト・放送作家ふるさとが神戸市垂水区。関西の大衆文化をテーマとした執筆・テレビ、ラジオ番組を企画。連載「のぞき見雑記帳」(大阪日日新聞)「球友再会」(月刊神戸っ子)コミュニケーション力と話芸で魅了する橋本さんオーセンティックな店内103

元のページ  ../index.html#103

このブックを見る