KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年6月号
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篠山先生にしつもんQ.患者さんや学生さんと接するに当たって、日頃から心掛けておられることは?A.患者さんがリラックスしてご自分の気持ちや訴えをちゃんと話せるような雰囲気をつくることです。私の専門は悪性腫瘍ですので予後があまり良くない患者さんが多く、できるだけ安心して前向きになってもらえるように心掛けています。学生さんに対しては、未知の部分が多くていろんな発見がある脳に対して「いかに興味を持ってもらうか」を意識していつも接しています。Q.篠山先生ご自身のリラックス法は?A.温泉やサウナに入ってリラックスすることでしょうか。神戸には沢山温泉がありますから。スポーツは小学生からずっとサッカーをやっていて、自転車も好きです。今はコロナで中断していますが、毎年淡路島を一周するアワイチに出たり、琵琶湖を一周したり、自転車で走っていると爽快でリフレッシュできます。Q.先生ご自身はなぜ医学の道を志し、脳外科を専門にされたのですか。A.高校の初めごろは工学部志望で宇宙工学や原子力を勉強しようと思っていました。高校2年生のときに、お父さんがお医者さんだという友人の影響で進路変更し、医学部を受験しました。脳はとても神秘的です。「脳の中はどうなっているのか?脳の機能はどうなっているのか?実際に自分の目で見たい」という思いがあり脳外科を専門にしました。端の治療法は?様々な画像や神経機能を測定する機器を用いて、情報を統合した最先端の手術が可能で、具体的には術中MRIやナビゲーション、3次元画像外視鏡を用いた手術です。脳腫瘍では摘出後にレーザーを当てる光線力学治療が可能で、国内でも有数の症例数を治療しています。―どんな自覚症状が出たら受診したらいいのでしょうか。手足に力が入らない、しびれる、言葉が出にくい、ものが見えにくい、聞きづらいなど、「いつもと何かが違う」という自覚症状があれば受診した方が良いでしょう。MRIやCTなど検査の結果「どこにも異常はありません。大丈夫ですよ」という場合がほとんどですが、時に脳梗塞や脳腫瘍など致命的な病気が隠れていて「早く来てよかったね」というケースもあります。ですので「いつもと明らかに何かが違う」と思ったら早目の受診をお勧めします。101

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