KOBECCO(月刊 神戸っ子) 2023年5月号
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年間500例以上の症例が送られてきます。遺伝子の種類によってさまざまな症状が出るいろいろな病気があり、腎不全に陥る病気が多いですね。むくみや尿量減少などの症状で発見されることもありますが、日本では学校検尿のシステムがあり、神戸市においても多くが学校で行われている検尿で異常が見つかるケースです。―腎不全の治療法は?治療法は主に人工透析と腎臓移植です。人工透析では腹膜透析を小児科が担当しますが、血液透析は腎臓内科の協力がなければできません。神大病院の移植医療は先進的で、中でも子どもの腎臓移植が行われているのは関西ではここだけです。泌尿器科の腎臓移植チームの先生が執刀されます。常に血液を送り込まなくてはならない臓器で子どもの細い血管をつなぎ合わせるのですから大変な手術だと思います。―小児科では多くの専門の先生方との協力が不可欠なのですね。例えば、腫瘍の中でも白血病は手術の必要はなく小児科で化学療法を行いますが、骨腫瘍は整形外科の先生方の力を借りて手術をして術後の化学療法を小児科で行います。その他、子どもの外科疾患専門の小児外科チームも活躍してます。全身麻酔が必要な嚙み合わせや歯の生えかわりなどに問題がある子どもさんの手術は口腔外科の先生方、血管腫の手術は形成外科の先生方にお任せして、術後は小児医療センターで治療を続けます。大学病院の小児科は専門分野を持つ小児科医が集まり、周りを他の診療科の先生方に支えてもらって成り立っています。―小児医療センターはいろいろ工夫されていて明るく楽しそうな雰囲気ですね。 あのエリアだけ院内でもちょっと違う世界みたいでしょう?小さな子どもさんは院内保育士が上手に楽しませてくれていますし、近隣の市立小中学校から先生が派遣される院内学級もあります。Wi-Fi完備ですから部屋でずっとゲームをやっている子もいます。お母さんに怒られることもないのでね(笑)。退屈なこともあるでしょうが、「病院は居心地の悪いところ」と思うことなく過ごしてくれているようです。―大きな手術の後はリハビリも必要なのでしょうね。大人が1週間寝込んだら機能が衰えて回復は大変。でも子どもはちょっと動けるようになったらじっとしていませんからね。もちろん筋力の回復も早く、リハビリの必要はほとんどないです。―何歳まで小児科の先生に診てもらえるのですか。難病の子ども達を対象とした小児慢性特定疾病医療費助成制度の適用は20歳まで、その後は成人の指定難病の医療費助成制度に移行します。だからといって、私たち小児科医が子どもしか診られないというわけではないので、20歳を過ぎたらすぐに一般内科に移ってくださいとは言いません。大学病院は腎臓内科や神経内科をはじめ引継ぎ先の診療科が充実し、それぞれ優秀な先生方がそろっていて小児78

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